平成28年度 長崎県五島中央病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
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年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 100 48 60 94 115 279 638 752 840 263
当院の一般病棟を退院された患者様について年齢別に集計しております。
当院は五島市の中核病院としての役割を担っており、五島の地域医療に貢献し患者様に信頼される病院をめざしています。五島市は離島であり、高齢化も今後益々加速していくことが予想され、このデータからも現在の高齢化率が高いことが分かります。今後もこのような変化に対応しながら健全な病院運営を行っていきます。
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内科
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内科は 島内外からの紹介患者や検診センターからの紹介があります。また、内科全般の救急患者にも24時間対応しています。
消化器班では、食道、胃、小腸、大腸の疾患のほか肝臓、膵臓、胆嚢さらに腹膜疾患など広い領域の病気を扱っています。
循環器班では、狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患の診断、治療、心不全の治療、不整脈の診断、治療、心臓弁膜症の診断と手術適応の決定です。
呼吸器班では、咳、痰、胸痛、血痰、胸部異常陰などで受診された患者さんに対し、レントゲンやCT,気管支ファイバーなどで肺癌、肺炎、喘息、肺気腫、呼吸不全、肺結核などの診断をつけ治療を行っています。
腎臓糖尿病班では、腎炎(急性、慢性)、ネフローゼ症候群、腎不全(急性、慢性)、膠原病、糖尿病性腎症などの疾患を対象としています。 透析室には、15台の血液透析装置(内2台は個室)を有しております。
血液班では、鉄欠乏性貧血から白血病などの悪性疾患まで幅広く診療しています。 成人T細胞白血病、悪性リンパ腫や多発性骨髄腫などの腫瘍性疾患や再生不良性貧血、特発性血小板減少性紫斑病などの難治性疾患の患者さんが入院され、抗癌剤治療や免疫抑制療法、モノクロナール抗体療法など最新の治療が行われています。
外科
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当院の外科は主に、消化器外科(胃、大腸、肝胆膵)、内分泌外科(乳腺、甲状腺)、胸部外科を扱っています。 脳外科や心臓血管外科は国立長崎医療センターや長崎大学との間に搬送システムができており。必要に応じて紹介しています。
手術は、胃や大腸の癌、肝胆膵疾患、ヘルニア、乳癌等です。 最近の手術の特徴としては大腸癌の手術が増えてきています。また、良性疾患としての胆石症には、手術侵襲の少ない腹腔鏡下手術が標準術式となっています。
今後も五島地区の中核病院の外科として、癌などの悪性疾患はもとより、消化管穿孔やイレウスなどの救急疾患に対する手術など、開業医の先生方との連携を深めながらさらに充実させたいと考えています。
整形外科
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整形外科とは、上肢、下肢、脊椎といった運動器を専門に扱う外科で、対象となる組織は骨、関節、靭帯、筋肉、腱、神経、血管、皮膚と多岐にわたります。 具体的には四肢・脊椎の外傷・スポーツ障害・リウマチ性疾患・変性疾患・腫瘍などがあります。CT、MRI、骨密度測定器、筋電図、サーモグラフィーなどで診断し、治療をおこなっています。 外傷による骨折の手術、関節鏡視手術、クリーンルームを利用した関節外科、手の外傷など切断指の再接着や神経・血管吻合といったマイクロサージャリーも行っています。
また、術後や外傷後のリハビリテーションも充実しており、高いレベルの機能回復をめざしています。
小児科
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下五島地区3名の小児科医のうち、2名が当院の勤務医ということで、発熱、下痢の一次診療から入院が必要な患者まで幅広くカバーしています。 また、長崎大学の専門医による神経外来、循環器外来のほか、喘息外来や腎疾患を中心とした慢性疾患外来、発育外来、予防接種外来なども行い診療内容の充実に努めています。 この他に、1歳半健診、3歳児健診などの保健業務も行っています。 より高度な診療を行える基幹病院としてだけではなく、地域のかかりつけ医としての機能を併せ持ち、病気の子供を治療するだけに終わらず、地域の子供たちが健康に成長していくための環境作りにも積極的に関わっていきたいと考えています。
産婦人科
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産科領域では通常分娩から、異常分娩まで幅広く対応しています。 “お産は実家で”ということで島外に出た妊婦さんが五島に帰ってきて分娩するケースがかなりあります。早産の分娩は小児科医の立会いで行ったり、異常妊娠は必要により入院治療を行っています。 ハイリスクの場合は、長崎医療センターへの母体搬送もお願いしています。また、不妊相談にも応じています。
婦人科領域では、子宮癌や卵巣腫瘍の診断治療が主になります。症状があって受診されたり、検診で見つかった患者さんの診断確定後は、手術や抗癌剤治療が行われますが、放射線治療が必要な場合は希望の病院を紹介しています。 また、更年期障害による諸症状に対する治療もおこなっています。
泌尿器科
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泌尿器科は、簡単にいうと“おしっこ”に関わる臓器についての診療科です。 “おしっこ”が出にくい、漏れる、近い、しみる、血が混じるなどの病気(例えば、膀胱炎、前立腺肥大、前立腺炎、頻尿、尿失禁など)から“おしっこ”の通り道にできる癌(腎臓癌、膀胱癌、前立腺癌)の治療まで行っています。 膀胱鏡や画像にて診断後、くすりや手術による治療をしていますが、常勤医は1人のため、手術で2~3人の人手がいるときは長崎大学や他の専門の先生の応援を呼んで極力五島病院で手術をおこなっています。
耳鼻咽喉科
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アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、鼻ポリープ、扁桃腺炎、中耳炎を初めとした耳鼻科一般について診療しています。手術は内視鏡下鼻内手術、扁桃手術、中耳手術、頭頚部良性疾患に対する手術が可能です。 特殊検査は平衡機能検査などを行っています。
眼科
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島内には高齢者が多く、白内障や糖尿病による目の障害が増えています。 白内障では、濁りをとる手術を行い、糖尿病による網膜症には網膜光凝固術や、出血には出血を取り除く手術をしたりします。 また、緑内障は失明の原因の上位に位置する病気ですが、目薬の投与や手術にて治療しています。
精神科
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離島・僻地での精神科医療の歴史は偏見との戦いであり、精神科病棟があるのは五島地区ではではここだけで、当科は精神科領域において重要な役割を果たしてきました。
老年者精神障害が4割を占め、次いで神経症圏、感情障害圏疾患、統合失調症と続いています。 その他、アルコール依存症や、児童・思春期の子供の不登校の相談も増えています。
入院は統合失調症や感情障害、器質的感情障害、アルコール依存症などの入院が多く、病棟でのレクレーションやクラブ活動などによる治療プログラムを用意しています。 また、総合病院の精神科ということで、リエゾン領域での需要も多く、院内他科から抑うつや、不眠、譫妄などの相談をうけています。その他、この地域の精神保健相談や講演、などなど離島精神医療のモデルを目指し診療しています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 15 - - - - - 1 7
大腸癌 18 - - 18 - 33 1 7
乳癌 - 14 - - - - 1 7
肺癌 - - 25 28 - 28 1 7
肝癌 - - - - - 15 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
5大がんと呼ばれる胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌の件数の集計です。当院では肺癌、大腸癌の件数が多くなっています。また、肺癌に関しては初発でステージⅢ~Ⅳの患者が多いことが分かります。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 10 18.50 59.10
中等症 74 15.66 79.49
重症 24 25.21 87.29
超重症 14 27.43 85.86
不明 - - -
市中肺炎とは普段の社会生活を送っている中で罹患した肺炎のことです。高齢になるほど罹患しやすくなり、また重症度も増す傾向にあります。早期に適切な抗菌薬を適切な量と期間で投与する必要があります。原因菌が肺炎球菌の割合も高く、当院では肺炎球菌の予防接種も受けることができます。
脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 3日以内 - - - -
その他 10 6.90 76.60 -
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I63$ 脳梗塞 3日以内 62 28.40 74.48 22.22
その他 19 25.74 77.58 6.17
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I679 脳血管疾患,詳細不明 3日以内 - - - -
その他 - - - -
当院には脳外科の常勤医師はおらず、投薬等で対応できる症例のみ治療を行っております。手術等の高度医療処置の必要がある症例に関しては、ヘリ搬送等により専門治療のできる病院へ紹介しております。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 94 1.00 2.27 - 66.82
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 65 4.43 12.09 3.08 77.89
K654 内視鏡的消化管止血術 33 0.55 8.70 - 73.52
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消化器内科では、結腸ポリープ切除術、総胆管結石等に対する内視鏡治療、早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術などの他、消化管出血に対する緊急消化管止血術など、多岐に渡る消化管疾患治療を施行しています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 24 4.96 5.46 - 70.67
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 15 3.60 21.67 - 83.93
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) 12 0.58 22.08 8.33 69.75
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循環器内科では、カテーテルによる虚血性心疾患の診断、治療、徐脈性不整脈に対するペースメーカー植込みを中心に行っています。
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K610-3 内シャント又は外シャント設置術 12 10.67 18.42 - 77.17
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 - - - - -
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 - - - - -
- - - - - - -
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腎臓内科では、血液透析に必要な内シャントに関して、泌尿器科へ紹介し内シャントを作成しています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 鼠径ヘルニア 38 0.89 2.39 - 69.92
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 20 6.00 8.30 - 61.50
K7432 痔核手術(脱肛を含む)(硬化学療法(四段階注射法)) 19 0.21 1.11 - 68.79
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外科では、低侵襲手術を心掛けています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨,上腕,大腿) 90 1.93 33.84 26.67 81.34
K0462 骨折観血的手術(前腕,下腿,手舟状骨) 36 2.86 22.75 5.56 67.14
K0811 人工骨頭挿入術(肩,股) 30 3.43 29.80 23.33 86.17
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整形外科では、高齢者の骨折に対する手術(骨接合術)が多くなっています。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K867 子宮頸部(腟部)切除術 11 1.00 2.18 - 53.45
K861 子宮内膜掻爬術 - - - - -
K877 子宮全摘術 - - - - -
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五島でも安全に分娩ができるよう緊急帝王切開にも対応しております。婦人科手術は少ないですが、五島で手術を希望される方にはできる限り対応しております。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 165 1.53 2.63 - 77.18
K279 硝子体切除術 11 0.73 2.73 - 79.36
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 11 2.82 6.73 - 73.09
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眼科手術件数の上位3位です。白内障手術を中心に網膜硝子体疾患や前眼部疾患など多くの症例を扱っています。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) - - - - -
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) - - - - -
K318 鼓膜形成手術 - - - - -
- - - - - - -
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扁桃炎を繰り返す症例には扁桃摘出、内服で副鼻腔炎が治らない場合には、内視鏡下鼻・副鼻腔手術などを行っています。手術の適応については診察時にご相談ください。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 14 1.43 7.21 0 76.36
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 - - - - -
K7981 膀胱結石,異物摘出術(経尿道的手術) - - - - -
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- - - - - - -
泌尿器科は常勤医師1名体制のため、局所麻酔で対応可能な経尿道的手術や透析バスキュラーアクセス関連手術等が主となりますが、必要に応じて大学病院等の基幹病院へ診療応援を招聘し対応しております。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 1 0.03
異なる 1 0.03
180010 敗血症 同一 7 0.22
異なる 5 0.16
180035 その他の真菌感染症 同一 2 0.06
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 20 0.63
異なる 3 0.09
播種性血管内凝固症候群、敗血症、その他の真菌感染症、手術・処置等の合併症の症例数と発生率を集計しました。入院契機が「異なる」ということは、当初は他の疾患に対する治療目的で入院したが、これらの病気を発症してしまい主に医療資源を投入してしまったことを意味します。データでもわかるように、他の病気に加えてこれらの合併症を引き起こしてしまうことも少なからずあります。
更新履歴
2017/9/30
当院の28年度の病院指標を公開しました。