五島列島福江島の総合病院【五島中央病院】

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院長のご挨拶
五島中央病院 院長 竹島史直 The Best Doctors in Japan 2022-2023

 令和2年4月より病院長として赴任致しました竹島史直と申します。私は、長崎県佐世保市の出身です。長崎大学を1986年(昭和61年)に卒業後、これまで消化器内科医としてそして総合診療医として診療、研究、医師教育に携わって参りました。当院へ着任後早くも3年が経ちましたが、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 過去3年間は、当院にとって新型コロナウイルスとの戦いの3年間でした。本院は五島市唯一の感染症(第2種)指定医療機関であり、その診断と治療を先頭に立って実施してまいりました。このため感染拡大時には、救急診療を除く一般診療を制限せざるを得ず、市民の皆様にはご迷惑をおかけしたことが多々あったと思います。皆様ご存じのように、本年5月8日からは、新型コロナウイルス感染症が2類相当から5類感染症へと移行されます。分類が変わるだけでウイルスそのものの病原性には何の変化もありませんが、このことにより五島市内の多くの医療施設での診療が可能となります。当院では、これまで通り感染症指定医療機関の役目は果たしつつ、より一層救急診療を含めた一般診療や予防医療に力を入れていきたいと思います。病院理念である“私たちは五島の地域医療に貢献し、患者さんに信頼される医療を提供します”を私たち全職員で実践していきたいと思います。

 昨年1年間の当院の変化(改善)といたしましては、まず10月より入院患者さんからの希望が最も多かった院内Wi-Fiサービスを開始したことが挙げられます。ようやくではありますが、患者さんからは好評をいただいています。11月には研修医や応援医師の増加により手狭であった医局を全面改修しました。そして本年3月末には1階の旧売店跡に地域連携室を新設いたしました。地域連携室は、患者さんの診療において当院と五島市内外の病院や診療所とをつなぐ本院の最も重要な部署の1つです。これまでは医事課と同じ室内にあり、手狭であることやご相談のしづらい環境でご迷惑をおかけしておりましたが、今後はより良いサービスが提供できるのではと期待しております。

 今後も診療においては、五島で完結できる医療を目指します。幸いにも当院は、長崎大学病院との強いつながりのもとに、多くの優秀な医療スタッフを有しています。離島内の他の医療機関では出来ない高度・専門医療(心臓カテーテル治療、内視鏡的治療、炎症性腸疾患などの難治性疾患診療、外科手術・内視鏡的手術・化学療法などのがん医療)や離島では不足しがちな救急医療、周産期・小児医療、精神科医療、回復期医療を提供することで“郷診郷創”(地域での受診が地域を創る)を進めます。

 遠隔医療は、五島市のような離島では専門医不在を補う重要な手段となります。当院では令和3年1月より2カ月間長崎大学病院と共同で「地域課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」研究を実施しました。これは、脳神経内科、消化器内科、皮膚科、外科、救急診療において五島中央病院医師が患者さんの状態や内視鏡画像をローカル5Gで送りながら大学病院専門医の直接のアドバイスにより診療を行うものです。これまでは研究の段階でしたが、いよいよ本年度中に脳神経内科、皮膚科、消化器内視鏡診療の実際の診療に導入される予定です。特に当院には脳神経内科、皮膚科の常勤医はおりませんのでこの分野のさらなる充実が期待されます。

 本院は基幹型臨床研修病院であり、研修医教育にも力を入れています。今年度も新たに2名が加わり、現在5名の研修医が研修中です。海と緑に恵まれた大自然の下、長崎大学病院派遣の専門医による丁寧な指導と垣根のないアットホームな医局の雰囲気が魅力と自負しています。また同時に、長崎大学医学部医学科学生、保健学科学生の病室実習、長崎県立五島高等学校衛生看護科講義、実習など学生教育にも積極的に取り組んでいます。私は、次世代を担う医療人材の教育・育成が、これからの離島医療のために最も重要なことと考えています。

 今後も五島市民の皆さんや地域医療機関の先生方のご要望に応えられるよう、微力ながら精一杯頑張ってまいりますので、引き続きご支援ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。



令和5年4月 五島中央病院 院長 竹島史直